Universal Works.が魅力的なワケ

近年、本国イギリスでもショップを次々オープンしたりと積極的な展開が目立つ、コンテポラリー(現代的な)メンズウェアを手がけるUniversal Works.。

David Keyte 氏(UW共同創設者、ディレクター、デザイナー)が目指していた衣服は、決して行き過ぎたデザインでない、しかしながら良いデザインでフィット感がある、実用的で素朴な衣服。
自宅キッチンテーブルから制作作業が始まり、2008年にUniversal Works社は設立されました。

70年代の地方のミッドランドタウンで育ち、業界でのキャリアを形成していく中でUniversal Works社の起業の思いが芽生えました。
彼の家族は着こなしが上手な労働者階級で、Davidは父親と叔父が、平日は作業服を、週末は週末用の服を着ているのを目にしていました。その後、80年代のスポーツや音楽のサブカルチャーの発展を実体験しながら、サインライターの実習生として働きました。
その後、ファッション業界で30年という期間を過ごし、ポール・スミスからマハリシまで、Davidはその業界の最高とされる人たちから学び、その傍で働いてきました。

Davidのライフワークは企業の行動様式や価値感の記述のように感じられ、伝統を理解し、現代のニーズや美的感覚に支えられた背景を理解した上で、様々なアイデアを織り交ぜている。それが、まさにユニバーサルワークスの特徴と言えます。

ユニバーサルワークスは技術力のある、小規模の制作会社を支持し、イギリスやそれ以外の国々のふさわしい場所で衣類を制作し、信頼・尊敬ができる、自信をもって関係を持てるファクトリーとのみ提携しています。
そして、これらの会社のアーティストやライター、その他素晴らしい人たちと一緒に協力できる機会を得て、これが企業の継続した成長と学習を駆り立てる一つのプロセスとなっています。

当初は小売店10店舗への販売から始まり、その後、次々と販売店が増え、そのオーダーは、今やロサンゼルスからソウルに至ります。本社とネット店舗はノッティンガムを拠点とし、2012年7月にロンドン、Lambs Conduit Streetにオープン(2021年10月にclose)、2013年8月にロンドンのBerwick Streetにオープン、2016年3月にノッティンガムのBroad Streetにオープン、2018年10月にロンドン Coal Drops Yard にオープン、そして2021年9月にドイツ ベルリンにオープンし(Trüffelschweinとのパートナーシップ店舗)、現在、計3店舗の直営店と1店舗のパートナーシップ店舗を英国内、ドイツ国内で展開しています。

独立した小企業であることを嬉しく思い、また、誇りをもっています。情熱とユーモアをもって常に仕事に取り組んでいます。

基本的に、シーズン毎のコンセプトは設定しておらず、シーズン毎にインスピレーションを受けたものから、自信のコレクションを常にアップデートしているのもポイントです。

モノが溢れ過ぎている昨今、トレンドだけを追いかけてしまうことが必ずしもファッションであるのか、という疑問を抱いていた中、特に我々のようなWEB SHOPをメインとする業態が増えてきました。

本当に良いと思ったものをお客様にお伝えしたい、そんな思いで立ち上げたPALE-Public Houseにとって、Universal Works.はまさにそれを体現するブランドでした。

イギリスというファッションにおいても、伝統においても歴史のある国に憧れ、何度もバイイングで足を運ぶうちに、数あるブランドの中から自身においても、ショップにおいても中心となる存在となりました。

毎シーズンUniversal Works.をセレクトしていくと、各コレクションにシーズンを越えた、ある種の一貫性があることに気付きました。

ベースとして、英国の伝統的な生地やオーガニックな素材を使用する一方で、無骨なワーク・アウトドアの素材も取り入れ、現代的なカットや肌触りを基本にしながらもヴィンテージからのインスピレーションを多分に含んだデザインで構成されているブランドなので、特にトレンドに影響されることが少ないブランドです。

また、Universal Works.のプロダクトは大量生産される服とは違い、本物の “ハンドメイド” を追求するために厳選された小さな工場で製作されています。

デザインだけでなく、生産部門にも携わってきた Davidは素材選びから縫製に至るまで妥協のない姿勢を貫き、自国イングランドの工場、特別な関係を築いたインドのテーラーや工場など、自身のキャリアの中で築いた、工場、職人との関係においてコレクションを生み出しているところも大きな魅力です。

我々のようなインディペンデントなショップは、大きなセレクトショップのように数多くのラインナップを展開することが難しいので、厳選した商品を扱っていく上で、「定番であること」はとても重要です。

ある意味、古くならないブランドや商品がとても重要なのです。

PALE-Public Houseでは、定番的で長くご愛用頂けるアイテム群を中心としたセレクトになっています。
そして、組み合わせてコーディネートもしやすいアイテムも数多くなります。

例えばUniveral Works.では長く定番として販売されているベイカーズジャケットシリーズ。

ブランドを始めるにあたり、普遍的でシンプルなワークジャケットが必要と考え、過去のありとあらゆるワークジャケット ( フレンチワーク、アメリカンワーク、エンジニアジャケット等々 )を研究し、一つのデザインに辿り着いたという逸品です。

実はこれ、Davidの父親が何年もの着用を経て、袖が腕に沿うように馴染んだジェケットが元となっています。
このジャケットは、Davidが頭の中で何年もの間思い描いていた理想のシンプルなワークジャケットであり、ここに洗練された生地を落とし込むことにより、現代性も兼ね備えたアイテとして、毎シーズン提案され続けています。

ちなみにBAKERS JACKETの名前の由来は、情熱的に働き、素晴らしい技術を持ち合わせたパン職人だったDavidの父への敬意を込めて名付けています。

このストーリーこそ、伝統的なアイテムを家族で引き継いでいくというイギリスの憧れの文化そのもの。
長い歴史のあるブランドや製品には必ずそんなバックグラウンドが存在します。

このアイテムはある意味、PALE-Public Houseのマインドを象徴していると言えます。

思わずワクワクして買いたくなるし、着ていて気分の良いアイテムです。
洋服作りだけでなく、気さくなDavidの人柄や彼自身の姿勢にも共感が持てるので、自然とコミュニケーションが増え、イギリスでも一緒に食事をすることもあります。

人と物と歴史と。英国文化には多くの魅力が詰まっています。

PALE – Public Houseは、その名の通りパブのように気軽に人が集まれる場所を目指し名付けられました。
パブは多くの人々のコミュニケーションの場となり、提供されるビールやウィスキーの蒸留所は、変わらぬ田舎の風景で後世に伝統的な味を伝え残していく。

そんな古き良きものから、Universal Work.のような現代をしっかりと見据えたブランドまで、長く生活の中で愛用してもらえるアイテムを今後も取り揃えていきたいと思っています。